天然の革にはトラと呼ばれるシワがあります。
これは欠陥品ではなく、もともと動物の皮だったころの名残。関節の部分や腹、背中など、生きていた時にできたシワです。
天然の皮を使った証でもあり、トラの模様は一つとして同じものはありません。
そんなトラの個性的な部分を使ってデザインの一部にしたキーホルダーを作ってみました。↓
製作工程
↓キーホルダー製作で使った革の端の部分。
シワが深すぎてトラというより亀裂になっている部分があります。
亀裂が入っているので財布などの動きのある部分には使えませんが、キーホルダーやカードケース、ブックマーカーなどには十分使えそうです。
型紙を写して裁断
楕円型のキーホルダーを作ってみます。
型紙を作り、丸キリで筋を付けます。
荒立ちしてから、型紙通りに裁断。
チョット厚みが足りなかったので革床(漉いてもらった余り)を貼り付けることにしました。
接着
革を貼り付けます。
本来はゴムのりを使うところですが、切らしてしまったので木工用ボンドを使いました。
木工用ボンドは乾きが早く、使いにくいのであまりお勧めしません。
ヘラを使ってできるだけ薄く伸ばします。
しかし、薄く伸ばしすぎると接着前に乾いてしまうので難しい・・・
ボンドを塗布したらすぐに張り合わせ、ローラーなどで圧着します。
ローラーを使うときはクリアファイルなどを間に挟むと跡がつかず、綺麗に圧着できます。
焦って貼り合わせたらら段差ができてしまいました。
コバを整える
こんな時はカンナでコバを整えます。
※カンナは扱いが難しいので初心者向けではありません。最初はドレッサーの方が扱いやすいです。
ある程度整えたら#400紙やすりでコバを整えます。
このように革の段差がなくなればOK
コバに水をつけて軽く磨き、段差がなくなっているか確認します。
縫い穴をあけると、どうせコバがデコボコするので軽く磨きます。
段差がなくなっていることが確認できました。
縫い穴とパンチ穴の加工
キーホルダーのパンチ穴と縫い穴をあけます。
革に傷がつかないように革の端切れを敷きました。
コバから3mmの間隔で縫い穴のガイドを引きます。
縫い合わせ
縫いはじめは目立たない場所から。
写真の部分はキーホルダーのベルトを取り付けるので見えなくなる部分です。
糸の始末はライターで炙って止めました。不格好ですがどうせ見えなくなるのでこれで問題ありません。
コバの仕上げ
糸で縫い合わせるとコバのデコボコがはっきり分かります。
(写真だとチョット見えにくいですね。)
コバは「紙やすりで凹凸を除去」→「トコノールを塗布」→「スリッカーで磨く」
ベルトのカシメ止め
キーホルダーのリングを取り付けるベルトを作ります。
こちらは小さな部品なのでコバ磨きが大変。
ということで捻を使ってロウを塗布して仕上げました。スリッカーで磨いたような光沢は出ませんが、とても丈夫に仕上がります。
ベルトにリングを通し、カシメを使って取り付けます。
カシメをハンマーで打ち込んで固定します。
仕上げ
最後に革のワックスCollonil 1909を塗布して仕上げます。
(ワックスは革用なら何でも構いません。)
完成です
トラの模様がアクセントになってなかなか良いものができました。
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