シックなデザインのキーケースの作り方を紹介します。
型紙の販売について
紹介しているコインケースの原寸大型紙は税込み580円にて販売中です。
ご興味のある方はご注文お待ちしています。
↓↓↓
¥580 JPY
サイズ
縦10.5cm×横6cm×厚さ2.5cm(キーケースを閉じた状態)
4連キーホルダー
[材料]
使用する材料は一例です。お好みの色やレザーを自由に選んでください。
サドルレザー
最適な厚みは型紙に記載しています。
色はお好みで。
ビニモ5番 (ダブルロー付糸) 約90m 茶
小物の製作にはビニモの5番が丁度良いです
[作り方]
型紙を写す
スポンサーリンク型紙をダウンロードして、紙に印刷します。厚紙に張り付けると使いやすいと思います。
型紙を作ったら、革の銀面の上に乗せ、目打ちや銀ペンで型を写します。
型紙が動かないようにしっかりと手で押さえます。
革の裁断
型を写したら、カッターなどを使って革を裁断します。刃先は良く切れるものを使用します。
直線のカットは定規をガイドにすると安定した直線にカットできます。
型紙A~Eの床面(裏側)には、このように型紙を参考にして中心線や捨て代の補助線を記入してください。
ボールぺなどではインクがにじむ恐れがありますから、銀ペンを使うと良いです。
今回作るキーケースは5つの部品から構成されています。外張りと内張で革の色を変えてみました。
ちなみに、内張りの革は貼り合わせてから外張りに合わせて裁断することにしました。
外張りの処理
今回、下の写真のように外張りと内張をカーブを付けながら貼り合わせます。
(型紙は内張りの寸法を若干小さく作っています。)
そこで、最初に外張りに菱目打ちで縫い穴を付け、パーツを貼り合わせてから目打ちを使って穴を貫通させて縫い進めることにします。
繊細な感じを出したいので3mmピッチの菱目打ちを使ってみました。縫い穴はコバから3mmの位置にガイドラインを引きます。
縫い目のガイドラインの引き方と、穴のあけ方は下記のリンクを参照してください。
↓外張りに穴を空けました。
次に、床面の縫い代部分を漉(す)きます。
縫い代部分を漉くことでコバを薄くし、繊細なデザインに仕上げられます。さらに、縫い代部分が盛り上がるので立体感がでます。
↓左が漉いて作った縫い口です。縫い目に影ができ、立体感が生まれます。右は革をそのまま使った縫い口。
↓革を漉くときはガラス板の上で作業するとやりやすい。
(ただし革漉は難しいので、製作者のスキルに応じて作業しましょう。漉かなくてもキーケースは作れます。)
縫い口の革を漉く方法
ここでは縫い口の革を漉く方法を簡単に説明します。
まず、革を漉くときは良く切れるナイフを使います。新品のカッターナイフの刃でも切れ味は悪いので革砥で磨いた刃物を使います。
ガラス板を敷き、ナイフエッジを滑らせて斜めに切り取ります。
ナイフが深く入りすぎず、漉く量を調整することができます。
斜めにカットした部分を平らにします。
ガラス板とほぼ平行になるようにナイフを入れていきます。
この時、切り残しがでます。
最後に切り残しを取り除けば完成。
漉く幅は縫い代よりやや広く漉きます。
今回は3mmとしたので4mm~5mm位が良いです。
漉いた後の厚みは0.5~0.8mm位(厳密ではなく、目分量で7割程度の厚みになっていればよい。)
漉き加工が終わるとこのようになります。
外張りと内張りを貼り合わせ
外張りにばねホックを打ち込みます。
型紙に記載している穴Aにばねホックのダボ(凸側)を取り付けます。
パンチで丸穴をあけます。取り付けるばねホックにあわせて適切なサイズ穴をあけましょう。
パンチセットを一つ用意しておくと便利です。
ストロングツール(Strong TooL) 取替式パンチセット 6ピース 05493
ばねホックのダボを取り付けます。
ダボに限らず、ホックやハトメ、カシメを取り付ける場合には専用の工具が必要です。
一つ一つ揃えるのは面倒なので、下のようなセットを一つ持っていると便利です。
オールマイティープレート付 【10セット】
ホックは木槌を使ってたたいていきます。
打撃によってカシメや金具が動いてしまうことがあるので、様子を見ながら徐々に力を入れながら打ち込みます。
自作した静音型菱目打ち機は、ホックやハトメの取付にも大変役に立ちます。
木槌を使うと金具が動いてしまうことがあるのですが、菱目打ち機は衝撃を与えずに圧着できるので失敗が大幅に低減します。
外張りと内張りを貼りつけます。
外張りは中心線に印を付けます。説明のため、写真で分かるようにマスキングテープを貼って中心線を記入しました。(マスキングテープは、銀面が荒れる可能性があります。コバに銀ペンで印をつけるなど、別の方法が良いです。)
接着剤はゆっくり作業できるゴムのりが便利です。
接着する両面にゴムのりを塗布し、完全に乾燥させてから圧着することでくっ付きます。
接着剤は縫い代部分に塗布し、中央付近には塗布しません。中央部までノリで接着すると上張りと下張りに遊びができず、キーケースを開くとシワになってしまいます。
まず初めに、真ん中の位置を合わせます。
型紙を当てて、補強材のベルトの幅を圧着します。
このように型紙を合わせると補強材の範囲が確認できます。
真ん中の部分を接着したらキーケースの両端部を貼り付けます。
型紙から写した貼り合わせ位置に従って正確に接着してください。
裏張りには数mmの捨て代があるので、間違って捨て代の方に合わせないように注意しましょう。
↓型紙通りに組み立てると、このように裏張りが数mm出ます。
端の部分も型紙を合わせて補強材の取り付け位置まで圧着します。
正しく圧着すると、キーケースの折り曲げ位置部分に隙間ができます。
ケースを折り曲げながら隙間部分を圧着します。
縫い口を漉いた場合はヘラを使って良く圧着します。
↓このように、”コの字”に曲がり癖が付き、折りたたんだ時にもシワができません。
内張りの余分な部分(捨て代)をカットします。
補強材を取り付ける
下の写真は今回作るキーケースの完成写真です。
赤線部の補強材C~Eパーツのコバを接着前に処理します。
通常、 へりおとしで処理してから磨きますが補強材は革が薄いのでそのまま磨くことにしました。
コバに少量の水を塗布し、プレススリッカーを使って磨きます。
(毛羽立ちを整える程度で良い)
Dパーツにキーホルダーを取り付けます。
型紙には標準的な4連キーの取り付け位置が書かれていますが、取り付けるキーホルダーに合わせて穴を空けてください。
パンチで穴を空けます。(この穴径も使用するカシメに合わせたサイズを使用しましょう。)
↓カシメと同じサイズのパンチを使う
カシメの凸と同じサイズのカシメ打ちを使って打ち込みます。
型紙の所定の位置に補強材を貼りつけます。
補強材の接着もゴムのりで良いでしょう。写真では接着力の強いGクリヤーを使っていますが使い方はゴムのりと同じです。
縫い代部分に塗布して貼り合わせていきます。(補強材にも捨て代があるので注意)
補強材を取り付けました。余分な捨て代をカットしましょう。
補強材を取り付けたらばねホックのばね側を取り付けます。
型紙の穴Bに取り付け位置が記載されているので、パンチで穴を空けてばねホックを取り付けます。
オールマイティープレート付 【10セット】に付属している、ばねホック専用の打ち棒でホックを固定します。
最後に目打ちなどを使って縫い穴を貫通させます。
縫い合わせ
縫い糸は縫う箇所の4倍ほどの長さにすると丁度良いと思います。
(縫い糸の処理と糸の通し方については下記参照)
外周部のコバ処理をします。
ヘリを落としたらコバに水を少量塗布してプレススリッカーで研磨します。
水だけで研磨しても素晴らしい光沢が出せます。
コバに光沢が出るまで丁寧に磨いていきましょう。
今回製作したキーケースは、”外張り”と”内張り”とで革の色が異なっています。
コバの色を統一するため、着色することにしました。
今までコバスーパーを使っていましたが、バスコの方がきれいに仕上がることが判明。
キャップを外し、そのまま塗布します。
事前にコバを磨いていれば、バスコを塗布するだけで艶のある着色が可能です。
しかも樹脂でコーティングされるので、コバの耐久性にも効果的。
完成しました
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とても分かり安く挑戦したくなりました。有り難う御座いました。
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