最近、どうも革包丁の切れ味が長続きしない。
砥いでも、砥いでも、すぐに刃先が痛み、切れ味が鈍ってしまうのです。
「もしかしたら刃先が寝かせすぎているのでは?」と思いCADで15°の紙ゲージを作って確認してみました。
予想的中です。
ご覧の通り、15°のゲージよりも鋭角になっています。写真画像から角度を割り出すと、なんと12°という事が判明。
革包丁は15°~20°が適正値なので鋭角になりすぎです。
手で研いでいるうちに、どんどん鋭角になってしまったようです。
ここまで角度が付いてしまうと手作業で一定の角度で砥ぐのは難しいです。
そこで、以前作ったガイドを使って修正してみました。
少し耐久性が欲しいので角度は17°ほどに設定しました
砥石は1000番→3000番→6000番→8000番→革砥の順で仕上げました。
さすがに全面を修正するわけにも行かず、刃先2mmほどを砥いでいます。
今思えば刃先0.5mmほどの2段砥ぎで良かったかもしれません。
ヌメ革のはぎれを使って試し切り。
角度は5°鈍角にしていますが、切れ味はほとんど変化なし。
むしろ、”何故か”12°より切れ味が鋭い感じです。
革を何度か漉いて刃の状態を確認します。
以前の12°で刃先が肉眼でも分かるほど傷んでいるはずなのですが、こちらはまったく変化なし。たった5°の違いですが、耐久性が目に見えて向上しています。
まとめ
今回、想定外だったのは、鋭角に研いだ12°の刃先より17°の2段研ぎの方が切れ味が良かったこと。単純に考えて、刃先は鋭角に研いだほうが切れ味が良いはずで、鈍角にすることで切れ味が犠牲になるとおもっていました。
まだ検証していないので断定できませんが、次の2つの理由が考えられます。
- 刃を寝かせすぎることで、研いだときに地金ばかりが砥石に当たり、実は刃先が良く研げていなかった。
- 鋭角にしすぎたことで刃先がもろくなり、革に負けてしまった。
もう一つ想定外だったのは、耐久性と切れ味が今まで研いだ中で一番の出来でした。
これについてもまだ検証していないので断定できませんが、次の2つの理由が考えられます。
- 17°が刃物の最適な角度に近い状態だった。
- 刃先を鈍角(17°)に砥ぐことで耐久性が増し、刃物のベースは鋭角(12°)なので抜けが良いのではないか?
いずれにしても原因が特定できていないので、何か分かったら報告します。
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