レザークラフトの初心者は、ハギレを買ってとにかく練習することが上達の第一歩です。
ところが革のハギレは当たりハズレが大きく、練習にすら使えないセットも売られていたりします。
もともとハギレとは、業者が革製品を作るときに出る半端な革の部分。製品を作るときはできるだけきれいな革を使いますから、ハギレは何らかの欠点がある部分になるわけです。
ですが、良心的なハギレセットは、意外と使える革も混ぜてくれます。
私がよく利用する良心的なハギレセットは「ヌメ革タンローはぎれ 300gパック」です。
とても人気のあるはぎれで、すぐに売り切れてしまいまうので、頻繁にチェックし、欲しいときはすぐに買っています。
逆に避けたほうが無難なはぎれセットは着色された革がランダムに入っている場合。
欲しい色と厚さの革が入っている可能性は低いですし、もっと酷い場合だと、クロム鞣しの革が入っていることがあります。
前述の牛革タンローはぎれなら間違いなく牛革のタンロー(タンニン鞣しの革)が入っているので間違いありません。
他の色が欲しいなら「革染め染料」で色をつければ良いでしょう。
牛革タンローはぎれ
ということでタンローハギレを買ってみました。
ちなみにすぐに売り切れになりますが、頻繁に出品されているので定期的にチェックすればすぐに手に入ると思います。
中身は袋に詰められていて、こんな感じ。
300gパックということで本当に300gあるか量ってみると、ちゃんと330gありました。
いろいろな厚さ・大きさのヌメ革が入っています。
中央の定規は15cmです。
厚さは1mmが一番多く、ついで1.5mm 2mm 4mmの順に入っていました。
ただし、毎回ランダムに入っているので何が入っているかは当然ですが保証できません。
ちなみに、作品として使えそうな革は3枚入っていました。
シワ、傷がほとんど見当たりません。(一番上の革だけ少し汚れがあります)
サイズも大きく、厚さはいずれも1mmなので小物製作に使えますね。
逆に一番悪い革がこちら。全体的にシワがあり、左側には傷が見えます。
しかも厚さが4mmあるので試作品にも使えそうもありません。
ですが、この革も使い道は十分あります。
ハギレの使い道
ハギレは初心者が作品を作る練習用という印象ですが、私は刃物の試し切りや新しい工具の練習用として活用しています。
↓こんな風に革漉きの練習に使ったり、刃物がきちんと砥げているか確認するときに使います。
もともと作品にも使えないクズ革なので、心置きなく試し切りができます。
新しく購入したヘリ落としの癖をみたり、玉捻の練習として使ってみました。
このように使えない革なりの便利な使いみちがあるわけです。
きれいな革は作品として利用
きれいな革は練習用や作品として十分使えます。
きれいで大きな革が入っていたのでこのようなファスナー付きの小物入れの試作品に使ってみました。
新しい型紙だったのでうまく作れるか不安でしたが意外とそのまま形になってくれました。
手のひらサイズの小物入れです。
試作品とは言え、うまく行けばそのまま使えますから、しっかり床面も磨きます。
トコノールを塗ってガラス板で磨きました。
均一にトコノールを塗布すればむらなく仕上がります。
型紙を革に写して裁断します。
コバもちゃんとヘリを落としてから磨きます。
ちなみに、小さなパーツはスリッカーではなく革のハギレを使うと磨きやすいです。
菱目打ちで穴を空けます。
ファスナーを縫い付けます。
最終的に床面が外側に出るようにファスナーを縫います。
「えいっ」と反対側に折り返せば出来上がり
形状は単純ですが、縫いがちょっと大変でした。
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