今回はヌメ革を使った立体成形でホルダーを作ってみることにします。
今回は革砥のホルダーケースを作ってみます。
革砥の作り方はこちら→「ナイフの切れ味が格段にアップ!革砥の作り方」
立体成形では、染色されていないヌメ革が作りやすいです。
厚みは2mm前後のモノが良いでしょう。
型作り
立体成形はヌメ革を水にぬらして柔らかくします。
水にぬらすと革は伸縮性が増すので雄型と雌型を使ってヌメ革に形を付けます。
(雌型はなくても何とかなる・・・)
型にはめたまま、乾燥すると、型の形状通りに成型されるという仕組みです。
雄型はホルダーに挿入する”革砥”をそのまま使いました。
ただし、濡れたヌメ革を押し付けるので、革砥をサランラップで包みました。
これで雄型は完成。
次に雌型を作ります。
適当な木材に革砥の輪郭を転写します。
↓今回使ったのは15mm厚のMDF板を使いました。
MDF板とは木くずを圧縮して作った木工ボードの事。丈夫で安価、しかも木よりもはるかに加工しやすい材料です。
今回、2mm厚のヌメ革を使うので、雄型と雌型には2mm以上の隙間が必要です。
少し余裕を見て、3mmの隙間をつけてノコギリで切断します。
MDF板は比較的柔らかいので簡単に切断できます。
↓雄型と雌型を組み合わせた状態。
また、成型のため濡らした革は、乾燥すると若干小さくなります。
1mmほど、革のはぎれでも何でもよいので、雄側の下に敷いて厚みを出すと良いです。
↓MDF板の上に1mmほどのはぎれを敷き、その上に雄型を乗せる。
革の成型
ケースの1.5~2倍ほどのサイズに裁断したヌメ革に水を含ませ柔らかくします。
洗面台に水を溜め、ヌメ革を水の中に沈めます。水を含むと革は茶色に変色します。
(乾燥すると色は元に戻る)
革全体に均一な色が付いたら取り出します。
水が垂れない程度に軽くタオルなどで水分をぬぐいます。
雄型の上に濡らしたヌメ革を乗ます。
スリッカーを使って雄型の形をつけていきます。
ある程度形を付けたら雌型でしっかり押さえつけましょう。
ちなみに、型を抑えるときにも菱目打ち機が大活躍。
ドリルスタンドのような”てこ式”とは違い、クランプ式は手を放しても加えた力が保持されます。
この状態で一日ほど乾燥させます。
型から取り出してもまだ湿っています。
型から出したら陰干しで完全に乾燥します。
革を縫い合わせる
ケースにばねホックを取り付けます。
成型した革に直接ホックをつけると裏面の金具が革砥に擦れてしまいます。
そこでホックを付けた革を縫って止めることにしました。
接着剤で成形したケースに仮止めします。
縫い穴を空けます。
立体的な形状をしているのでそのままでは菱目打ちが打てません。
そんな時はゴム板を立てて使用するとうまく穴があけられます。
ケースの底板と接着して箱型にします。
菱目打ちのラインを引きます。
通常はコバを基準にして線を引きますが、立体成形の場合は谷折りの角ぎりぎりに穴を空けるのがセオリー
使用する菱目打ちは、革が厚いので5mmピッチを使用しました。
菱目打ちで穴を空けたら縫っていきます。
縫い終わったら周りの部分をカットして揃えます。
カットの巾はお好みでOK。目安として縫い代から3mm~5mm程度残して裁断します。
ばねホックのストラップを取り付けます。
ヌメ革を幅20mm×長さ250mm以上に切り取り、背面に接着剤で仮固定します。
接着したら縫って固定します。
革砥を入れてみて、ストラップに取り付けるばねホックの位置を決めます。
ばねホックを取り付けたら完成です。
オイルを塗る
革砥を作るとき、ミシン油をしみ込ませました。
ヌメ革に革との油がしみこむと部分的に油シミになって見た目が悪くなります。
そこでヌメ革にオイルをしみこませることで油シミを軽減させようと試みました。
使用するのはニートフットオイル。レザー用のオイルです。
刷毛を使って素早くオイルを塗っていきます。
他のサイトを見ると、薄く縫って素早くふき取ると書かれているページをよく目にします。
ですが、好みでたっぷり塗るというプロの作家さんの話を聞いたことがあります。オイルを素早くふき取ることもしていませんでした。必ずしも薄く塗ることが正しいというわけではないようです。
ですので、今回は実験的にたっぷりオイルを塗ってみました。
オイルを塗った直後はこんな感じ。
吸収しきれないオイルがテカテカ光っています。
1時間後、オイルが革全体に馴染みました。
オイルを塗りすぎたかと思いましたが案外いい感じです。
革砥もしっかり収納できます。
これで青棒の粉で汚れることはないでしょう。
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