コインケースNo.01に内張りを付けた改良型です。
コードバンのはぎれが安く手に入ったのでコインケースを作ってみました。
内張りを設けることで完成度の高い作品に仕上げることができました。
コインケースNo.01同様、クレジットカードが挿入できる多目的ポケット付き
型紙の販売について
コインケースの原寸大型紙は税込み600円にて販売中です。
ご興味のある方はご注文お待ちしています。
↓↓↓
¥600 JPY
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[材料]
使用する材料は一例です。お好みの色やレザーを自由に選んでください。
レザークラフト用のヌメ革
革の種類は色はお好みで。
作品例ではコードバンのはぎれ材が安く手に入ったので利用することにしました。
使用する革の厚みは型紙に記載しています。
薄型マグネットホック 中(14mm)
(今回の作品はゴールドを使っていますが、シルバーの方が良かったかもしれません。)
協進エル ビニモ5番 (ダブルロー付糸) 約90m 茶
(ピッチ3mmの菱目打ちにはビニモ5番が丁度良い)
[作り方]
型紙を写す
型紙をダウンロードして、紙に印刷します。
印刷用紙は薄くて使いにくいので、厚紙に張り付けると使いやすいと思います。
厚紙は工作用紙が丁度良い厚さでおススメです。
型紙を作ったら、革の銀面の上に乗せ、目打ちや銀ペンで型を写します。
コードバンは表面がつるつるしているので型紙もズレやすい。
しっかり押さえて型を写していきます。
革の裁断
スポンサーリンク型を写したら、革を裁断します。
使用する刃物は工作用のカッターが最適。刃先は良く切れるものを使用します。
ちなみに、特専黒刃が非常に良く切れます。
通常のカッターの刃より鋭角に研がれているようです。
ただし、刃の寿命は短いので頻繁に折って新しい刃を出すことが重要。
直線の裁断は、金属製の定規などをガイドに使うときれいな直線にカットできます。
一度にカットしようと力を入れると革が伸びてまっすぐに裁断できません。軽い力で何回かに分けるときれいにカットできます。
ちなみに、曲線の裁断は、カッターを鉛筆のように持ちます。
カッターを動かすのではなく、革の方を動かしながら、手前に引くように裁断すると扱いやすいです。
ヘリとコバの処理
パーツを裁断したらコバを処理します。
カードポケットなど、縫ってからでは処理できない箇所があるので組み立てる前にコバの処理をします。
処理する箇所は型紙に記載しています。
ヌメ革などの場合は通常、へりおとしで処理してからコバを磨いて仕上げます。角を落とすことで耐久性が増し、肌触りも良くなるのです。
処理の仕方は下記参照
しかし、今回コードバンを使っているので、コバの処理がちょっと異なります。
実は、コードバンはコバを磨くことができません。磨いてもヌメ革のように独特の光沢が出ないのです(コバの磨き方のコツ参照)。
そこで、バスコ 焦茶 のようなコーティング剤をコバに塗って処理します。
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ポケットの貼り付け
コバを処理したらポケットを本体に貼りつけます。
型紙に記載しているのりしろ部分にゴム糊を塗布していきます。
ゴムのりは貼り合わせる両面に塗布し、完全に乾かしてから貼り合わせて圧着します。
型紙に記載している箇所を参考にポケットを貼り合わせます。
ポケットのミミが出るので、本体に合わせてカットします。
革の補強
コインケースの底部に心材を貼りつけて補強します。
補強するにはチケン紙0.3mm厚を使用しました。
試作品で0.6mm厚のモノも試しましたがこちらは厚すぎです。コインケースには0.3mm前後が丁度良い厚みだと思います。
型紙に記載している箇所に心材を貼りつけます。(ゴムのり使用)
内張り
内張りを貼りつけます。
ゴムのりを内張りと外張りの心材の部分だけに塗布し、貼りつけます。
ポケットを縫う
外張りと内張りを貼り合わせたら、ポケットの底部を縫い合わせます。
ステッチンググルーバーを使って縫い代のガイドラインを引きました。
ラインの間隔はポケットのコバから3mmの位置。ラインは
グルーバー付属のガイドを使うと本体レザーに傷をつけてしまう恐れがあります。ここでは、定規をガイドにしてラインを引きました。
(貼りつける前にラインを引けばよかった・・・・)
ちなみに、ラインマーカーを最後まで引いてしまうと、縫いしろ以外の部分に線が残ってしまいます。
5mmほど手前で止めると良い
コバと目打ちの爪を合わせ、3番目の爪から穴を空けます。
ポケットの底部に縫い穴を空けられました。
縫い合わせ
今回裏張りがあるので、縫い糸は縫う距離の5倍~6倍ほどの長さにカットします。
縫い糸の処理と糸の通し方については「縫い糸の通し方」を参考にしてください。
縫い終えたらハンマーで叩いて縫い代を馴染ませます。
次に、本体レザーの外周部に縫い穴を空けます。
ステッチンググルーバーは、使用する菱目打ちのピッチ間隔とします。
ピッチ間隔が3mmの菱目打ちを使うので、ガイドの間隔は3mmに合わせます。
革にガイドラインを引くときは、ガイドをコバにあてがうことで、コバと平行なラインが引けます。
ライン引きは、間違うと銀面に傷をつけてしまうことになりますから、慎重に作業しましょう。
外周部の縫い穴はコバ口(型紙に記載しているKポイント)を基準にします。
Kポイントに菱目打ちの爪を合わせ、2番目の爪から穴を空けていきます。
この時、内張りまで目打ちを貫通させないように注意。(穴を空けるというより、目打ちの印を付けるといった表現が正しい。)
↓写真の様に厚紙を挟んで内張りに穴が貫通しないようにしましょう。
(内張りと外張りは折り曲げると穴位置がズレるので、貼り合わせてから穴を貫通させます。)
革の接着
写真の様に外張りを90°折り曲げて折癖を付けます。
90°折り曲げたら、銀ペンなどを使って内張と外張りの接着ポイントに印を付けます。
外張りに心材を貼ります。
心材にはチケン紙0.3mm厚を使用しました。
型紙にサイズと貼り付け位置を記載しています。
マグネットホックを取り付ける
ここでマグネットホックを取り付けます。型紙を重ね、取り付け位置に目打ちで印を付けましょう。
マグネットホックの爪を挿入する切り込み箇所も記載していますが、ホックの種類によっては位置が異なる場合があります。現物に合わせて切り込みを入れてください。
切り込みを入れました。
マグネットホックの中心部分は出っ張りがあるのでパンチを使って切りぬいています。
マグネットホックをしっかり差し込みます。
座金を挿入し、爪をしっかり折り曲げて固定します。
ゴムのりを塗布する。
折り曲げ位置には動きを持たせるためゴムのりは塗りません。
ゴムのりを塗布したら90°に折り曲げながら圧着していきます。
余分な内張りを切り取ります。(側面はまだ切り取りません。)
反対側も同様に90°折り曲げて銀ペンで貼り合わせ位置を書き込みます。
貼り合わせ位置を参考にして、型紙通りに心材を貼りつけます。
マグネットホックは内張り側に取り付けます。
マグネットホックの取り付け位置は、銀ペンで書いた貼り合わせ位置と型紙を重ね、目打ちで印を付けます。
ゴムのりを塗布して貼り合わせます。
こちら側は蓋になる部分なので動きを持たせるため、縫い代(外周部)だけにゴムのりを塗布し、中央部分は接着しません。
机の角を利用して90°折り曲げながら貼り合わせます。
マチの取付
まちの取り付け位置は型紙に記載しているのでコバに銀ペンで印を付けます。
印を付けた位置を参考にゴムのりを塗布しマチを貼り合わせます。
角も剥がれないようにしっかりと圧着しましょう。
縫い合わせ
糸は縫う距離の5倍~6倍ほどの長さにカットします。
縫うときは、菱目打ちが貫通していないので、目打ちを使って一つ一つ縫い穴を貫通させてから針を通します。
非常に手間がかかりますが、一番確実な方法です。
コバから縫い進めます。糸はコバに1~2回巻き付けてから
縫い終えたらバスコをとふしてコバを整えます。
バスコは塗りとやすり掛けを繰り返すことで平らな面に整います。
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