レザークラフト入門講座

レザークラフトで使う革の基礎知識と選び方

2016/11/30

レザークラフトで使う革の基礎知識と選び方

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レザークラフトでは革についての基本的な知識があると材料選びがスムーズに行え、完成のイメージや適切な素材を選ぶことができます。

革の各種名称と扱い方

革は、表側の滑らかな面を「銀面」と呼び、裏側のざらざらしている面を「床面」と呼びます。

革の銀面と床面の比較画像

銀面

革の表面で動物の皮の外側にあたる部分です。
もともと動物の皮なので、よく見ると毛穴や血管・傷・シワの跡が残っています。傷跡やシワの跡は嫌煙されがちですが、天然の革ならではの個性として好む方もいます。もっとも、これらが全くない革を見つけるほうが難しいので、好ましくない傷跡は型取りの際に避けて裁断すればよいでしょう。
※吟面と書かれることもありますが、正式には銀面が正しいようです。

床面

床面は革の裏側の部分です。革が毛羽立ち、ざらざらとした手触りです。
通常、レザークラフトでは、床面が作品の表に出ないように使い、見えてしまう場合は、トコノールで磨くことで滑らかにすることが可能です。
逆に、きめ細かく毛羽立たせたものがスエードやベロアになり、独特の見た目と手触りが好まれています。

革には表面のつやつやしている部分を【銀面(吟面とも)】。裏側のざらざらしている部分を【床面】と呼んでいます。革の床面は下の写真の通り、ざらざらしていて毛羽だっています。 手触りや

コバ

革の裁断面をコバと呼びます。
通常、見た目の美しさや耐久性などの点から、フチを面取りし、トコノールで磨いて使用されます。
皮の銀面とコバ

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革は非常にデリケート

比較的丈夫とされているオイルレザーでも、爪を立てるだけで簡単に傷がつきます。湿気や日光にも弱く、押し入れなどに入れておくとカビが発生してしまいますし、直射日光が当たると変色してしまいます。革を保管する際は、風通しがよく、日の光がなるべく当たらない場所を選びましょう。

↓気を付けていても製作に夢中になると気が付かないうちに傷をつけてしまうことも・・・
爪を短く切ることも大切です。
爪で傷つけないように注意

革の厚さ

革の原厚は4mmほどあり、必要に応じて漉(す)いて薄くすることができます。
ただし、均一な厚みに漉くには専用の機械が必要なので、あらかじめ既定の厚みに漉いてある物を購入するのが一般的です。
書籍などに付属する型紙には参考厚さが記載されています。作品を作るうちに、おおよその厚みが分かってきます。
また、いろいろな厚みの革をとりあえず試してみたいという方は、タンローはぎれパックがおススメ
私も試作品を作るときによく利用しています。約1mm~2mm程度の革がランダムに入っているので厚みを試したい場合は最適です。
【タンローはぎれ約300gパック】A5サイズより少し小さいはぎれパック
牛革小サイズ【タンローはぎれ約300gパック】A5サイズより少し小さい形が様々な牛革タンローが入ったはぎれパック

皮と革の違い

レザークラフトで利用する革は当然ですが、動物の皮が原料です。そのままでは腐敗してしまったり、カチカチに固まってしまい使い物になりませんから、適切な防腐処理を施します。
この、防腐処理のことを「なめし」といい、なめす前を【】、なめした後を【】と明確に定義されています。

なめしの種類と特徴

レザークラフトで使う革は「なめし」の処理方法によって特徴が大きく異なります。
大きく、「タンニンなめし」と「クロムなめし」の2種類に分けることができます。
それぞれ特徴があるので、作品によって使い分けると面白いでしょう。

タンニンなめし

植物性のタンニンを使って革をなめす方法です。
古くからおこなわれている技法で、植物性ということもあり、環境にもやさしいなめし方です。また、使い込むことで経年変化し、個性ある色に変色するという利点があります。比較的丈夫で、伸びにくく、コシのある点も特徴の一つです。
一方で、変色しては困る場合、経年変化は欠点になりますし、熱に弱く、傷がつきやすいという欠点があります。

クロムなめし

クロム鉱石を使ったなめし方で、100年以上前にドイツで開発された技術です。
クロムなめしの特徴として、熱に強く、色の変色が少なく、発色が良い、柔軟で弾力性があり扱いやすいという利点があります。
現在、約8割の革製品がクロムなめしで作られているようです。

革の部位と特徴

革は牛や馬などの動物の皮ですから、背や腹、肩などの部位によって特徴があります。
特に、各部位によって硬さが異なるのはもちろんのこと、伸びやすい方向と伸びにくい方向などに違いがあります。
財布などの小物ではあまり違いが出ませんが、バッグやベルトなど大きく負荷のかかる作品を作りたい場合は各部位の特徴を生かすと品質や耐久性に大きな違いが現れます。

もっとも、切り売りされた革では部位を指定することができませんから、一枚革を購入するような中上級者向けの内容です。

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【牛の革の部位による特徴】

革の各部位


繊維が緻密で非常に丈夫な部位です。伸びにくく変形しにくいことから、丈夫なバッグを作りたい場合に適した部位です。繊維が緻密なので重たい部位でもあります


比較的柔らかく、軽い部位です。加工しやすい反面、伸びやすいという欠点が
柔軟性が求められる作品に適しているといえます。特に内張りには最適の素材です。


比較的強度があり、伸びも少なく加工しやすい部位です。
とれる面積が限られることもあり、財布などの小物の製作に用いられることが多い素材です。

【部位による伸びやすさ】

下の画像は矢印の方向に対して伸びにくいことを表しています。
逆に、矢印に垂直方向は伸びやすい性質があります。

革の各部位と、伸びやすい方向

革の単位

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売られている革の面積はデシ(ds)と呼ばれる単位が用いられています。
1デシ(ds)とは、10cm×10cmの正方形の面積と同等です。
ちなみに、半裁と書かれて売られていることもありますが、こちらは図2のように一頭分の革を背を中心にカットしたものになります。半裁でもデシ表記はされていて、はおおよそ240~300デシが一般的なサイズです。

1デシ(ds)とは、10cm×10cmの面積と同等の単位

図1 デシ単位

 

半裁とは一頭の革を背を中心に半分に裁断した革の事

図2 半裁

初心者にお勧めの革は?

ここまで、革の厚さや部位、なめし方などの特徴を説明しましたが、初心者の方はやはり自分の必要な革が何か良くわからないと思います。こればかりは実際に手に取って作品を作ってみないと、感覚的にわかりません。

もっとも、最初から作りたいものがあり、型紙に指定の厚みが書いてあればそれに従えばよいでしょう。
ただし、この場合もいきなり作りたいものを作り始めると失敗してしまう可能性があります。ですから、キーホルダーやコインケースなど、比較的簡単に作れる作品を、2,3点作ってみるといろいろ要点が分かり、本番の作品作りに生かせると思います。
そのために、まずは安価に提供されている革のはぎれで練習することをお勧めしています。

はぎれとは、裁断後に出る切れ端のことで、こうした切れ端をパックにして格安で市販されています。
もともと、傷やシワを避けて裁断した切れ端なので、あまり良い状態の革ではないことがあります。とはいえ、革であることに違いはありませんし、値段も格安なので過度に期待せず練習と割り切って利用しましょう。
ヌメ革の端革詰め合わせ

いろいろなはぎれパック

単色

本革ハギレ ベージュ系10枚セット
本革はぎれ

レザークラフト用ソフト牛革はぎれパック【黒系】約500g、およそA4サイズ×8枚+おまけ付き
牛革はぎれパック【黒系】

革 はぎれ 練習用 グローブレザー 1kg オレンジイエロー系統 (厚み:2.4~2.6mm程度)
革 はぎれ

色々

大判本革ハギレ たっぷり1kgアソートパック【はぎれ・端革】
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